トーワチキ 1987年 ファミリーコンピュータ
なんと今年2017年は、「エルナークの財宝」発売から30年。 恐らく「エルナークの財宝」30周年記念の記事を書く物好きは他にどこにもないと思いますので、 当サイトでは、これを記念して「エルナークの財宝」クリアに至るまでの当時のいきさつを振り返りつつ、 クリア時に作成した攻略報告書を公開したいと思います。 この報告書は、ファミコンエンディング倶楽部で お世話になっていたYaPさんという方に ゲームのエンディング動画を収録したビデオを送る際に同梱したもので、 動画だけでは伝わらないこのゲームの真実をお伝えするために作成しました。 若かりし頃に書いたもので今改めて読むと悶絶ものですが、このまま自分だけが持っておくのもどうかと思い、 この30年という節目に公開することにしました。 おこがましいかもしれませんが、一応無断転載禁止の文字を入れています。(大した資料でもありませんが・・・) 内容自体は当サイトの攻略ページ(5面)で記載したものと同じなので(というか、HPの攻略記事はこの報告書を ベースに作りました)目新しいものは何もありませんが、「ちょっとどんなものか見てやろうか」と興味ある方が いらっしゃればちょっとお暇なときにでもご覧頂ければと思います。 また、PDFで欲しいという奇特な方のために下記からDL出来るようにもしてみました。
(PDF版) ここから先は私の思い出話みたいなもので、あまり有益な情報はありませんので、 読まれる場合はあまり過度な期待をしないでくださいね・・・
私が「エルナークの財宝」を知るきっかけとなったのは、2000年の夏のこと。 まだ大学生だった私は、その年初めて夏コミに参加することにしました。 コミケについて右も左も分からないなりに買ってきた分厚いカタログをめくり、 ファミコン関係の同人誌を買い漁るべくお目当てのサークルを探す作業を続けていました。 その時、巡回ルートに入っていたサークルさんが、ファミコンエンディング倶楽部を運営されていた 「次ハどうでる」さんでした。 この時点ではどういった活動をされているサークルさんなのかよく分かっておらず、 ファミコン関係ということでルートに組み込んでいただけでしたので、今にして思えば悔やまれますが ルートの後半に設定してしまっていたのでした。 後に、「次ハどうでる」さんのホームページにお邪魔してファミコンエンディング倶楽部の 詳細を知った時は、中学生の頃から難しいゲームをクリアする時にVHSビデオにエンディングを、 収録していた自分にとって「同じようなことをやっている人がいるー!!」 と物凄く興奮したんですけどね。 しかも当時のファミコンエンディング倶楽部では、既に多くの方と協力して 数々の難ゲーを攻略されていましたので、是非自分も参加したい! と思ったものでした。 後にファミコンエンディング倶楽部第一支部として活動させていただくことになりました。
~コミケ当日~ 前々日の夜中のうちに関西から東京まで、友人の車で爆走し現地入りしていたので準備は万端。 朝早くから長蛇の列に並び、慣れない戦場を何とかくぐり抜け、「次ハどうでる」さんの サークルの所まで来たものの、なんと同人誌は既に完売でガックシ、トホホ。 巡回ルート設定失敗・・・ せめて何か無いかと頂いたのが >次回予告<なるビラというかリーフレットでした。 これが運命の出会い。 この中にあったわけです。エルナークの記事が。 この文章を読んだ時、私のファミコン魂に火が灯った瞬間でした。 ちなみに今もこのリーフレットは保管しています。
~以下、抜粋~ ======================================= ファミコン史上最高の難易度を誇る「エルナークの財宝」なのですが、
どうやら「クリア不可能」という意見が出てきました。
どうやら解析した結果判明ということですが・・・
これからどうなるか楽しみです。 =======================================
この「クリア不可能」という文字にものすごく突き動かされたわけです。 本当なのか!?自分が検証してやろうじゃないか!!
当時、どういった解析が行われたのか、それ以前の経緯について自分自身は情報を 持っていなかったため、いろいろと知りたいことはありましたが、当時のインターネット上にも クリアまでの攻略情報が無い以上、まずは自分でプレイして独自に調べてやろうと考えました。 自宅に戻ってから中古ゲームショップに行って裸ソフトの「エルナークの財宝」を即購入。 余談ですが、当時は地元でも結構そこらにファミコンを取り扱っているゲームショップも 多かったので目当てのソフトを入手すること自体は全く問題ありませんでした。 そういう意味ではいい時代でしたし、当時はまだ地元でも箱説完品の商品もたくさんあったわけで、 その時に買っておかなかった昔の自分に喝を入れたいところです。
さて、ソフトを入手し、さっそく攻略に取り掛かりました。 私はゲームを攻略するときにマップを作成する性分なので、1面からマップの作成を開始。
初っ端の1面からループばかりで全然先に進めない!と出鼻をくじかれるこのゲームですが、 私はゲーム中のヒントの「見かけに騙されてはなりません。道は必ず続いています」の文字から 運よく壁抜けの方法を思いつくことができました。 上記のヒントからどこかに隠し扉でもあるんだろうと壁に対して十字キーを入れていたら たまたま入れたという感じだったと思います。 今にして思えばツイていましたね。
2~4面については、特に詰まるようなところはなく、比較的スイスイ進めることができました。 5面に到達するのにどれくらいの日数がかかったのか今となっては覚えていませんが、 確かに5面の例の場所でどうしても進めなくて日々思い悩んだのは間違いありません。 ご存知の無い方のために少し記載しますと、このゲームには属性というパラメータが存在し、 主人公はアイテムを取ることで光(ライト)の属性と闇(ダーク)の属性のどちらにもなることができます。 また、どちらかの属性でしか通れない扉というものが存在するのですが、 ダークの属性で通過できる扉を通過した後にジョーという主人公の親友と戦う場面があります。 ジョーはライト100%でないと倒せないにもかかわらず、先に述べた扉をダーク属性で通過した場合、 道中で手に入る光属性のアイテム『大天使の紋章』を取ってもライト100%にならないのです。 (要はジョーが倒せない)
さすが「クリア不可能」といわれるだけのことはある・・・。 何か抜けがないか調べるために敵の猛攻を避けながらマップをチェックしていく日々が続きました。
そして、ある日何気なく考えがよぎったのです。 『あの属性のゲージって何目盛りあるんだろう?』 と・・・。 まずはこれが始まりでした。 あの光の妖精と闇の妖精に触れると各属性側に目盛り増えますからそれを数えてみました。 すると両側に12目盛りずつあることが分かりました。 次に思いついたのが、『じゃあ真ん中なら属性はどうなるんだろう?』という発想でした。 すぐさま行動に移した調査班は、この発想によってゲージの真ん中であれば両方の属性を 持つことができる『両属性の件』という驚きの結果を目の当たりにしたわけです。
勢いに乗ったのか、ここからは話が急ピッチで進みました。 ダークの扉~ジョーまでの道中には、『大天使の紋章』以外に妖精が二人(1人1目盛りライト)ほどいますが、 『大天使の紋章』が8目盛りライトに近づく前提だと目盛りは12目盛りですから仮に両属性の方法で 扉を通過したとしてもライト100%にはならず、ライト100%でジョーの前に立てないわけです。 (この部分の文章を少し修正しました) これも何かの試しにという感じでダーク100%の状態で『大天使の紋章』を取ってゲージをよく見ると ありゃ?ゲージが真ん中に来てないですか? と、『大天使の紋章のウソ(ライトに12目盛り近づく)の件』にも 気がつくことができた、というような当時の流れだったと思います(うろ覚え)。 攻略ノート見てるとそんな感じで書いてありますねー。
とにもかくにも「クリア不可能」と言わしめるほどの難解なこのゲームのポイントは、 ゲーム自体にバグがあるわけではなく「トーワチキ」というメーカーが仕組んだ 『両属性の件』と、『大天使の紋章のウソの件』に気付けるかということだったわけです。
厳密に言えば、『大天使の紋章』以外に妖精が二人いますので、『両属性の件』に気付かなくても 妖精二人分属性がダーク側でも先に進めるともいえますけどね・・・。
発見した順番はさておき、「エルナークの財宝」最大の難関を突破した私は、 無事エンディング動画の録画にこぎ着け、早速ファミコンエンディング倶楽部のYaPさんに 「エルナークの財宝」クリアのご報告とビデオ&報告書をお送りしました。 しかし、この物語はもう少し続きます・・・。
エンディングビデオをYaPさんにお送りしてから数か月後、正確な日付は覚えていませんが、 ドリームキャストでインターネットをしていたところ、林原めぐみ嬢の声でメールが届いたとの通知がありました。 メールを確認すると・・・なんと!その内容は、当時テレビ東京で放映されていた 「GAMEWAVE」にYaPさんが出演されるとのことで、その際に 私が録画した「エルナークの財宝」のエンディング動画を使わせてほしいというものでした。 私からすれば大変名誉なことで断る理由などありません。 すぐさまOKとのご連絡をさせて頂いたと記憶しています。 放映日もいつだったかまではさすがに忘れてしまいましたが、当時の番組映像は今も保存してあります。 一応こちらを見てみると2001年7月とあります。 私の家はテレビ東京(関西なのでテレビ大阪になりますが)が映らない地域でしたので、テレビ東京系列が映る 家庭の友人に頼んで番組を録画してもらいましたねー。
YaPさんは番組内でファミコンエンディングコレクターとして出演され、「暴れん坊天狗」のエンディングも番組内で 紹介されていました。 その後に件の「エルナークの財宝」のラスト~エンディングまでを放映していただきました。 このような機会を与えてくださったYaPさんには感謝しかありません。
少し余談になりますが、「エルナークの財宝」に関して、もう一つ書いておきたいことがあります。 私が攻略を始めた当時、もうひとつ「エルナークの財宝」を取り扱っているサイトがありました。 残念ながらヘタレの私はそのサイトの方と接触をもつ機会を作れなかったのですが、そこでは確かに 「エルナークの財宝」のエンディングの画像があったのです。 ただ、そこへたどり着くための方法については、記載がありませんでした。 何が言いたいのかといいますと、当然といえば当然ですが、いくらマイナーな「エルナークの財宝」とはいえ、 私が2000年にクリアするより以前にどなたかが攻略法を見つけクリアしていた可能性があるということです。 それが自力クリアなのか解析の結果なのか、データを改変して到達したのかは分かりませんけどね。 この世の中には、表舞台には出てこないけれど、ものすごい強者(つわもの)、猛者(もさ)の方たちが たくさんいらっしゃるのではないかと思います。
「エルナークの財宝」はマイナーすぎたためかゲーム性ゆえか誰もそもそも攻略しようとしなかったことから、 たまたま私が攻略サイトを立ち上げる結果となったわけですが、今の世の中なら世界中の皆さんの力を結集して、 いとも簡単にクリアしてしまうのではないかと思います。 自分自身、「エルナークの財宝」をクリアした2000年当時、だれが言い出したのか分かりませんが、 『クリアまでに13年かかったゲーム』としてここまでネタとして拡がるとは思ってもみませんでした。 (上記の通り、誰かが既にクリア自体はしていた可能性は十分ありますが・・・) また、内容が拡がっていく過程で尾ひれや背びれが付いて、解析の結果クリアできたといった間違った情報が 拡散されることもありましたし、筆者が自作したマップの画像をYOUTUBEの攻略実況動画の中で勝手に 使われているのも見かけました。 まあ、確かに当サイトの中に自力でクリアしたとは一言も書いてありませんでしたので、誰かの推測や 思い込みが記事になってしまった結果かもしれません。 「GAMEWAVE」内でもバグという形で紹介がありましたので、致し方ない部分もあったかとも思います。 自分が発信したものが拡がっていくこと自体は大変嬉しくもありましたが、それと同時に情報が歪んで 伝わったり勝手に画像を使われることについては、何とも言えない複雑な心境にもなりました。 ただ、情報というものは伝わっていく過程でいろいろと歪んでしまうものなんでしょうね。 かの有名な「高橋名人」も警察に逮捕されたという誤った情報が全国的に伝わって しまったことがありましたしね。 自力かどうかは私自身の問題で、本質的には、どうすればこのゲームがクリアできるかが判明し、 皆さんに共有できたことが一番重要なところかなと考えています。
なにやら、エラそうなことを書いてしまいました・・・。 ここまで読んでくださった方、(いらっしゃらないかも・・・)ありがとうございました! 今後、当サイトでは引き続きファミコンの攻略とエンディング動画関連の情報を発信していきたいと思います!
2017年8月10日
のぶすま ゆーいち ※ご指摘を頂き2017年8月11日に少し文章を修正しました。 |